自立か、よりかかるか

　素直になると人から優しさを受け取ることができます。

　毎日生活していると幸せなことばかりじゃない。ひとりで生きていると、「本当の自分をわかってくれない」と感じるときがあります。自分だけが、独り悩みを抱えているのではなく、誰もが、些細なことを気にして人からの優しい言葉を欲しがっています。たわいもないおしゃべりしながら、心配し、気に懸けてくれる人がいると、気落ちしたときに励まして元気にしてくれます。ある人が、長女で弟が生まれてから、親に構ってもらえなくなったと、さびしそうに語った。ずっと、それが続いているそうです。自立しないといけないと思いながらも、よりかかって生きることの心地よさを懐かしく思います。

　強そうでも、他の人がどうおもっているか、気にしている人が多くいます。お互いに支え合うのが、一つの共同体です。自立するよりも、周囲の支援、世話に寄りかかっていきています。共同体で孤立することはつらいものです。主体性をもって自分らしくいきることが、他人の目を気にするよりも、健康的です。いろんな感情が波を打っています。穏やかそうで、悩みがなさそうに見える人が、仲間はずれになることが怖れています。意外なギャップに気がつきました。依存心が強い人でも、強情に胸の内を他の人に見せまいとしますが、自分の心の内を理解してほしいと思います。しかし、自分でも、「本当の自分」はわからない。

　いろんな人が些細なことを真剣に悩んでいます。自信が持てないで、悩むことはだれでもあります。いつも、一緒にいて、仲良くしている人がいて、「自分のことをどう思っているか」、本当のことはわからない。口に出して相手に聞くこともできない。相手の気持ちを読もうとすると、忽ち不安になります。「好意的」に感じる人から何も気づいてもらえないことはつらいものです。

　いちか、ばちか、相手の胸の懐に飛び込んでみる。 自信が持てないと、プールにお腹から飛び込むようになってしまいます。泳ぎが上手でない人や、水への恐怖心がたっぷり残っている人が飛び込みをすると、頭から水の中に入っていく事が出来ずに「腹打ち」とよばれるお腹を水面に叩きつけるような飛び込みになってしまいます。もっと、子供のように、素直になると人から優しさを受け取ることができます。小さな幸せを毎日ほんの少しだけでも感じていきたいものです。