SSブログ

礼節のルール

 CHOOSING CIVILITY  礼節のルール

 P・M・フォルニ  Dr. P. M. Forni Professor Johns Hopkins University

  著者は、ヨーロッパの高い教養(Romance Languages and Literatures)を持ったイタリア人で、アメリカ大学の先生をしています。ファーストネームで呼びあいフレンドリな感じがする文化ですが、相手をリスペクトして接することが基本です。あるときに、学生にとって、学問を教えることよりも、良い人間を育てることが大切であると、気付いたそうです。

 身勝手で自分のことしか、考えられない人がいます。人間の社会性を身につけることは、礼節を守れることです。社会を、他者とふれあい、気持ちよくいきていく場所にしたいものです。礼節が大切です。礼節とは、人と人との間合い、ちいさな行動の中にかたちに示す必要があります。親切であることが社会性を身につける上で一番大切です。

 礼節のルール25のリストを見て、自分が守れていない項目がかなりありました。いろんな本を読んだからと、いってその内容を知ることと、習得することとは、別です。知ることと、実践することのギャップが大きいように思います。「人の話をきちんときく」「そこにいない人の悪口を言わない」。簡単なようでも、実は行動にすることが難しいことが多いようです。人と会話して、口から自動的に流れ出てくる言葉には、心の中で考えている心が付着して、でてきます。心の余裕のない時代になって、人は評価されて、多くを求められてきています。礼節のルールを守れるようになるには、日頃から自分の言動をチェックして、おかしいところを直していく解決法しかありません。

 道徳、倫理などという価値観は、社会に安定感を与える柱のようですが、古い時代の産物であると考える人もいます。古い時代の考え方は、自由を奪い、人生をある枠のなかに押しとどめようとします。新しい生き方をするには、古い時代の鎖を切る必要があります。その結果、誰もが自分のルールを作り、都合良く解釈して、道徳そのものが揺いでいます。何でも、自由にしていいと、勘違いをして、自制心を失っていきます。礼節がきちんとできている人が小数派で貴重な存在かもしれません。

 論語(泰伯第八 189)でも、礼節(礼儀と節度)がないと、恭・慎・勇・直という徳目も、台無しになってしまうと語っています。

 孔子云う、「恭しいのは良いが礼節が伴わないとくたびれる。慎重なのは良いが礼節が伴わないと臆病者に見られる。勇気のあるのは良いが礼節が伴わないと乱暴者とされる。率直なのは良いが礼節が伴わないと酷薄になる」と。

 どのようにしたら、毎日、人と接していて、気持ちよく過ごしていていけるか。日々の生活でいろんな人と接する上で、自分でものごとを判断するための「ものさし」が必要となります。他人の不道徳さに不快感を感じている人は多いようです。自分の失礼さに気がつかないから、周囲に不快感をばらまいています。他の人は、自分の心をうつす鏡です。

 人は、ある集団に属して、傷つき、心をすり減らしています。良い人になり、自分の価値を高めるために、チャンスを求め、心の余裕を失った人が多くいます。人を見下したり、尊大になる人もでてきます。自分の存在を拡大しようとすると、他の人との領分に踏み込むことになります


礼節のルール
P・M・フォルニ (著), 大森 ひとみ (監修), 上原 裕美子 (翻訳)

第1章 礼節─人生の質を高める技術
第2章 礼節のルール25

ルール1 周囲の人に関心を向ける
ルール2 あいさつをして敬意と承認を伝える
ルール3 相手をいい人だと信じる
ルール4 人の話をきちんと聞く
ルール5 排他的にならない
ルール6 親切な話し方をする
ルール7 そこにいない人の悪口を言わない
ルール8 褒め言葉をおくる。そして受け入れる
ルール9  NOの気持ちを察し、尊重する。
ルール10 人の意見を尊重する
ルール11 身だしなみと仕草に気をつける
ルール12 人と協調する
ルール13 静けさをたいせつにする 
ルール14 人の時間を大切にする
ルール15 人の空間を大切にする
ルール17 真摯に謝罪する
ルール18 自尊心をもって自己主張する
ルール19 個人的なことを質問しない
ルール20 配慮ができる客になる
ルール21 最高のおもてなしをする。
ルール22 無駄な不満はいわない
ルール23 前向きに批判し受け入れる
ルール24 環境に配慮し、動物にやさしくする
ルール25 人のせいにしない

第3章 人はなぜ礼節を見失うのか?

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。