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よい人になれない理由

「やさしさ」という技術』ステファン・アインホルン

「おはずかしい話ですが、私は生涯、人類の行く末について考えてきたというのに、
結局は“もう少し人にやさしくしなさい"という言葉よりも
ましな助言を人に与えられないことがわかったのです」
――オルダス・ハクスリー(イギリスの哲学者)

 やさしい人とは、倫理にしたがって生きている人で、倫理とは私たちが仲間であり続けるための技術」であると著者は語っています。実際に、行動するときに、二者択一で、それぞれ一長一短があると、ジレンマを感じます。やさしさを実践することと倫理的であることは、よき人間社会を実現するための両輪で、お互いに助け合い、支え合う意思と責任の重要性です

<倫理のジレンマを解く五つのツール> 
ルール⇒社会で共有されている規範や原則は、迷った時の大切な道しるべ
判断力⇒課題に対して最善の方法をとり、過ちをさけるための判断をする力
良心 ⇒「人間の内なる羅針盤として機能し、何が善で何が悪かを示す」
「私たちは、良心に逆らって行動すると気分が悪くなる」
共感力⇒他人の立場に立ちその人が何を求めているかを理解する力だ
他者 ⇒助言を求める相手

 優しい心で人に接することは一つの挑戦課題です。できるべきことですが、できていないので、挑戦課題となります。どんなときに、どんな理由で、できないか、考えてみると、面白いと思います。上機嫌なとき、うれしいときに、できることでも、不機嫌なときに、かなしいときにできないことがあります。日頃、そのときの精神状態が顔に表れます。自分で気づかないのが自分の欠点です。自分のことに気づかない人が、人ことに気づき、優しい言葉をかけてあげるでしょうか?

 いつもの状態で、人にやさしくしたいという気持ちがあるかと聞かれたときに「ない」と答える人は少ないとと思いますが、いつでも素直にやさしくできるかわけではありません。どんなときに、やさしくできないかと、反省して
みると、いろんな理由が浮かぶと思います。葛藤、心理的な抵抗、マイナスの力が働くときがあります。

◆あなたが「よい人間」になれない理由
1.リソース不足  

2.共感力不足  
 共感力は、「他人の考えかたを理解する力」です。「人にやさしくしたいと思うなら、相手が何を必要としているのかを知らなくてはならない」

3.思慮不足

4.「他人ごと」主義
「私には関係ない」と思うことが、やさしさを遠ざけるのだと述べ、「私たちは互いに深く依存しながら生きている。どれほど互いに依存しているかを知り、助けたり、助けられたりするのが当然なのだ」

5.理想と現実の落差に無自覚であること

6.生物としての攻撃性
「重要なのは「自分のなかにも攻撃性ある」という事実を受け入れ、それをコントロールすることだ」

7.無力感
8.「誰かがやるだろう」という思いこみ
「私がやらなくても……」というのは、よいことをする気になれないときの決まり文句だ
9.選べない選択肢

 「やさしさは、私たちが周囲の人に、そして自分自身に差し出すことができる、最高の贈り物なのである」(p.220)人に贈り物を差し出すチャンスが一日に何度でもあります。“もう少し人にやさしくしなさい"「もう少し」というのは、改善の余地があるという、ことです。5回のチャンスうちで、1回でも気づくと、世の中は随分暮らしやすくなります。



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