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運のある人とない人:中谷彰宏

 運があると、棚から落ちてくるぼたもちに巡りあえることを期待して読みます。運のある人は、ワクワク、楽しいことをして生きていて、ミラクル、奇跡があり、この上ない楽しいことにであう。

 中谷彰宏さん本は簡単でわかりやすいだけなく、運に対する間違った期待をいきなり打ち砕いてくれます。運をまっていてもだめで、何かをやるときには、こちらから行って、気付いて、掴む行為が必要です。

 運がある人がやっていることは見ていても、あー大したことはないと思いますが、見えないところで当たり前の工夫をしています。経過・プロセスに運が良い秘密があります。経過・プロセスに拘り、丁寧に当たり前のことができるように、自力をつけています。人が楽しく遊んでいるときに、時間を惜しんで、準備、努力を積み重ねて、いざという時のための準備している。失敗しても、運を貯めながら、次のことを考えています。

 目先の楽しいことでは、見えないところに将来花開く運があります。今やっていることを楽しくする工夫をする。他人がしているのをみて、即効性の結果を求めると、偽物の運をつかんで、痛い目に合います。

叱責される達人

 いまどき、私心なく、人を真剣に叱る人はすくなくなっています。私的な怒りから感情的に叱る人はいます。それに対する風当りが強いので、叱られるチャンスも減っています。その成果、叱られることに対する耐性も弱くなっているようです。叱責する人もストレートに思いをぶつけられる人がいるそうです。叱責しやすい人は、素直に受け止め、学ぶ姿勢がある人です。何度も叱責される事には慣れていますが、気分がいやになります。叱責されるときに、すいませんと先に謝罪すると、話を最後まで聞けと言われました。叱責する人も自分の心にあることを掃出すことで、スッキリすることができます。怒り人の静めるためには叱責される名人も必要です。

 江口克彦さん、松下幸之助の側、近歴23年です。27歳から36歳までは、PHP総合研究所の秘書として勤め、その後は経営者、国会議員として活躍しました。松下さんは、仕事を進める上での基本方針(なんのために、やるのか、なぜ、やるのか)を説明して、仕事を与える。その考え方、方針に反して失敗すると、激烈な叱責を受けることになるそうです。激烈な叱責というは想像を越えていたそうです。

 大将(松下幸之助のこと)に呼び出されたある幹部の話です。 「ストーブの前に座って、わしを待ち構えておった。叱り始めると、こりゃ、もう止まらんなと思ったで。わしは直立不動の姿勢で立った。案の定や、手にした火かき棒で、ストーブをガンガン叩きよる。恐うて恐うて、叩かれるたんびに、自分が叩かれているような気になってきた。」最後に「わかったか」と怒鳴りながら、ガーンとストーブを叩いた瞬間に、気絶してしまったそうです。

 江口克彦さんがPHPを経営されていたときに、「相手のためになる叱り方というのは、実にむつかしいものである。なんらかの私情の入った意図や配慮をもって叱ると、相手のためにも自分のためにもならない。」と思ったそうえす。

 部下を叱ることの大切さを松下さんから伺ったそうです。「君は部下を叱らんといかんときもあるわね」「ありますね」「そういうとき、きみは、どういう叱り方をしておるんや」と笑顔で尋ねてくる。返事を戸惑っていると次の言葉を話されたそうです。

「叱るときに大事なことは、失敗した部下を叱るときも感謝の気持ちを忘れたら、いかんということや。日頃は、よくやってくれている。ありがとう。しかしこれは、気をつけんといかん、ということやな。とにかく、まず、感謝の気持ちをもって、叱らなければならん。まあ、心のなかで、手を合わせながら、叱る。」

 それは何となく綺麗ごとのようです。それよりも、松下さんの気質として、瞬間湯沸かし器のように心に高まる感情を相手にぶつけることができたようです。それとともに、激烈な叱責のあとのフォロー、気配りも忘れなかったそうです。

 <トヨタの瞬間湯沸かし器> 
 米ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁会社NUMMIの副社長からプライドを傷つけてはいけないという配慮でやり方を変えたそうです。モタモタしていると二言目には「おまえやる気があるのか」と部下を叱責する瞬間湯沸かし器のような方が、NUMMIでは怒らず根気良く米国人を説得していました。赴任してきた同僚の日本人を見つけて声を掛け「アメリカ人は納得しないと動かんぞ。わからんでいいからまずやってみよでは通じないと心得よ」と注意されました。


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