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不況を乗り切る

 今のような悲観論がまん延し始めた時期に、思い切った投資や将来への種まきを積極的に行い成功をおさめた企業が生き残っています。厳しい環境の中でベンチャー企業は淘汰されていき、生き残る会社が伸びていきます。優れた経営者は、不況をチャンスにして、新たな成長の起爆材とします。

 新しい世代には、それにふさわしい新しい物語ができるでしょう。次の話は、もう、昔話となってしました。

 有名な半導体CPUメーカー、インテルでは、かって、ノイス、ムーア、グローブの優秀な科学者が経営に当たっていました。お互いの個性が強すぎて、競いながら、組織の最高パフォーマンスを引き出しています。ノイスに対して対抗心があったグローブの性格は、”大きな自我を持ち、自己顕示欲が強く、スポットライトを浴びるのが好きで、パフォーマンスに長け、主役でなければ気が済まなかった。”(楠木 建 :一橋大学大学院教授)”と書かれています。良い人ばかりを集めた最高のチーム『ベスト&ブライテスト』に見えますが、危機のたびに、優れた技術者が活躍して、次々に突破口を開いてそれを乗り越えています。優秀な経営者は、技術者に活躍の場を与えています。

 「経営、それも特に危機的状況における経営は、非常に人間性を問われるものだ」。「我々は方向感覚を失い、死の谷をさまよっていた」。インテル元CEOグローブは語っています。成功をおさめると、傲慢症候群という病気にもかかりやすくなります。

「私は一日の最後に電子メールに目を通すが、それは恐怖心からである。何か問題が起きてないのかを確かめるのだ。夕方には必ず業界紙のページを繰り、気になる記事を切り抜き、翌朝には詳しく調べることにしているが、これも恐怖心からである。」

 不況を乗り切るCEOには、勇気、個性、能力が求められます。経営ミスをしない限り、傲慢な性格でも社員はついていけます。

「状況は常に変化する。新しい環境に順応し、そこで成功するのに必要なスキルを習得したり、自分の環境を整えたりすることに、惜しみない熱意を傾けなくてはならない。以前の土地はほとんど機会を与えてくれなかったかもしれない。しかし、新天地では未来が開けている。あらゆるリスクをとっても、それを掴み取るだけのかちがある」

 「世の中がどちらに向かっているのかを本当に理解している者はいない。私もわからない。感触のようなものはあるが、決断は待ってはくれない。投資や人的な決断は、状況が明らかになるまで待ってはくれないということだ。決断は、迫られたときに、即決しなければならない。それから、その旅路ではあまりくよくよしないこと。プロとしての責任があるからだ。自分が落ち込んでいたら、部下のモチベーションを驚異的なレベルまで引き上げることはできない。だから、自分で自分のしていることがわからないと十分わかっていても、常に前向きでいなければならない。」

 歴史的に見ると、経済の好況・不況サイクルで、不況サイクルに将来の投資をした会社が伸びています。市場が立ち上がっていく時期に、失敗をしても倒産せずに、起死回生の製品で立ち直ることがあります。もちろん、業績が悪化すると、以前の土地から新しい土地に行くには、レイオフと事業整理をして、伸び行く分野にリソースを集中します。成功するには、要求水準が非常に高く、レイオフという痛い対価を支払っています。世界を変えるようなイノベーションを生み出す企業やビジネスで大きな勝利を収める企業は、常に不況期や悲観論が増えているときにさらに伸びています。

名CEO 
ジェフ・ベゾス:アマゾン・ドット・コム、(1994 -)
ジョン・チェンバース:シスコシステムズ、(1995 -)
ラリー・エリソン:オラクル、(1977 -)
リード・ヘイスティングス:ネットフリックス、(1997 -)
マーク・ハード:ヒューレット・パッカード、(2005 - )
スティーブ・ジョブズ:アップル、(1997 - )
馬化騰:テンセント、(1997 - )
御手洗冨士夫:キヤノン(7751)、(1995 - )
アラン・ムラーリー:フォード・モーター、(2006 - )
マイケル・オリアリー氏:ライアンエア、(1994 - )
サミュエル・パルミサーノ氏:IBM、(2002 - )
ジェームズ・シネガル氏:コストコ・ホールセール、(1988 - )

傲慢症候群
①自己陶酔の傾向があり、大きなビジョンに気をとられがち
②何かするときは、まずは自分がよく映るようにしたい
③イメージや外見がかなり気になる
④偉大な指導者のような態度をとることがある。話しているうちに気がたかぶり、我を失うこともある
⑤自分の判断には大きすぎる自信があるが、ほかの人の助言や批判は見下すことがある
⑥自分の能力を過信する。
⑦現実感覚を失い、ひきこもりがち、せわしなく、むこうみずで衝動的

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