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自分の強みを活かす

               自分の強みを活かす
 
 新しい技術の登場と経済環境の変化により、伸びる企業もあれば、衰退する企業もあります。産業の勢力図は、激変しています。日立、パナソニック、NEC、ソニー、シャープと日本エレクトロニクス企業は減益、もしくは、赤字になっています。どの企業も、多くの優秀な技術者をかかえて、成功を夢見て製品開発を行っています。液晶、プラズマディスプレーが売れていたころは輝いていた技術者も、今は事業の瀬戸際に立っています。日本の企業群もサムソン、アップル、Google、FACEBOOKに比べると、かっての勢いはないように見えます。企業でも、永遠に強い産業分野で勝利をおさめることは簡単ではありません。日本にも、スティーブ・ジョブズ、ラリーページ、セルゲイ・ブリン、マーク・ザッカーバーグのような技術者が出てほしいものです。

 アップルは、スマートフォンの分野で圧倒的な強さを示しています。スマートフォンの開発を牽引してきたジョブスのように偉業を達成する人は、大きな夢を現実化して、一時的限定的「何ごをとも望みのまま意のままになるという状態」に達しうるような気がします。自分の強みを活かし、他者に対して優位な状況でそれぞれの専門分野で世界を動かす人もいます。発明家、技術者、研究者の「幸福」とは、なんだろうか?カント流の「幸福」では「この世界における理性的存在者が、彼の実在の全体において何ごとも望みのまま意のままになるという状態」であります。数学者アンドリュー・ワイルズ、グリゴリー・ペレルマンは、数学という限られた世界にいきて、世紀の難問を解決し、そこで理想の状態を実現しています。

 多くの人が大きな夢を持って、乗り越えられない壁、解けない難問、実現できない技術製品に挑戦しています。現状というのが、居心地良いコンフォートゾーンであっても、そこから一歩踏み出して、未踏の地で困難や障害を求めます。非常に労力、時間を懸けて、それを乗りこえる手がかり突破口をさがし出すことに喜びを感じます。世のなかで、世界に影響を与えるような偉業を達成する人がいます。そのような人は、そのために長い時間を懸けて準備をします。大きな夢を持つことはいいですが、それを解決できる人は、高い着眼点をもって、良い課題を設定することができます。それを上手くブレークダウンして、課題を一つ一つ解決していきます。壁にぶち当たった時にも考え抜いて、問題を解決する「ひらめき」を見出します。

 石油掘りがどこに石油が埋蔵されているかを調査するように、良い課題を設定するには、大切なところがどこであるか、見極める能力が必要です。個人でも組織でも、自分の強みを発揮できる分野を絞って、努力していくと、偉業を達成できます。矢印(↓)は、下に行くほど、卓越性が大きくなっていきます。図は、数学で面積が1となる幅aで高さ1/aの矩形関数を示しています。幅の範囲aが小さくなるほど、高さは大きくなります。関心の範囲を集中すると、我々は高い能力を発揮できるとも言えます。普通の人は、幅広い分野に力を注ぐので、個々の分野で発揮できる能力はあまり高くありません。偉業の高さを評価基準にすると、普通の人は見劣りしますが、現実には、幅広い分野で一定の力をバランス良く発揮できる人も必要です。

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  卓越性を求め、頂点を極めるという人には、創意工夫で知性を磨くだけなく、求道的、禁欲的、楽天的な特質があります。そして、人生の最も旬となる時期に、狭い世界に全エネルギーを注ぎ込む必要があり、凡庸な人々が味わうであろう、娯楽は気を散らすものになり、時間の浪費に思えるかもしれません。凡庸な人々の生き方は、日当たりよく作物が元気で育つ南国の土地で楽しんで農業をすることであるなら、卓越性を求める人の生き方は、未開の不毛の地をこつこつ耕して、北国の土地に育つように作物の品種を改良しながら、肥沃な土地に変えるようなものです。楽天的な気質も必要です。自分の周囲で起きていることは、「必然で、ベスト」である。ドイツのライプニッツのように、「現実は起こりうることの中では一番マシである」と考えることは、最善説の予定調和を主張するオプティミズムに似ています。

 世界クラスの達人とよばれる人は、自分の能力を向上させるための動機づけする力をもっています。それが内発的動機づけに基づいた場合には、最善です。その究極の研鑽は極めて効率的で、しかも継続的に行うことができるます。小さい頃、人よりちょっと上手くできたという小さな優位性でも、10年以上の究極の研鑽と努力で磨いていけば、遥かな優位性に繋がっていきます。究極の鍛錬では、業績を上げるのに必要な要素を、鋭く限定し、認識することが求められて、意識しながらそうした要素を鍛え上げていきます。何度も基本な事柄を繰り返して飽き飽きするまで繰り返す必要があります。目標と結果との差を小さくするには結果とのフィードバックが継続的に得られる必要があります。いましていることに関して、努力の対象が適切であるか、それに集中しているか、達成度はどれだけかを知ることが大切です。正しくできていない場合には、修正して目標に近づく必要があります。十分ではない成果の要因を継続的にかつ、激しい目で洗い出し、懸命に改善するのは、精神的につらいものです。不得手なものも克服する必要があり、成果がでるまでは、あまりおもしろくもないことに時間をとられます。成長する過程で、どのような環境に身を置くか、どのような指導者の支援を得るか、決定的な要素になります。

最高を目指して頑張ることはすばらしいですが、凡庸な人は、いやなことでも率先して行い、幅広い分野でバランス良く能力を発揮することが求められています。中庸な生き方と、卓越性を求める生き方と、大きな違いがあります。

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